シンゴジラを絶賛する連中の気持ち悪さ
今週のお題「映画の夏」
という事ではてなブログのお題で記事を書こうと思います。
えーと、自分は最近映画を見なくなりました。
何故かと申しますと「貴重な時間やお金を浪費して見たいとは思わなくなった」からです。
そんな人は日本中に沢山居るでしょう。
家族連れやカップルが時間つぶしに映画を見るのは全然構わないと思います。
外で時間を潰せる場所というのはまだまだ少ないわけですから。
ただ、映画に変わる新たなエンターテイメントが現れないのは残念です。
今の日本人は映画を見て本当に満足しているのでしょうか。
話題のシンゴジラ
シンゴジラの評価が高いそうですが、褒めている文章を見て「こりゃ駄目だ」と感じました。
高得点の理由はこんな感じです。
ところが「シン・ゴジラ」は違う。主人公らしき人物も、個性的な技術者や学者も出てくるが、彼らは決して「個」で活躍することはない。それぞれ所属の各省庁だったり、内閣だったり、あくまで「塊」として、ひとかたまりとして力を発揮する。
なにしろそうした「組織」になじまない、はみだしものたちを集めた緊急対策チームでさえそうなのである。一人ひとりに名前はあるが、彼らは最後まで「集団」としてゴジラと対峙する。
「次のリーダーがすぐに決まるのが強みだな」というセリフは、日本における組織運営がトップダウンではないことを皮肉りつつ、しかしその裏に潜む「日本という国家の強靭さ、しぶとさ」を意識させる名セリフであろう。
そんなわけでこの映画には、登場人物というよりは登場人物「群」がおり、人間ドラマではなく人間「群」ドラマがあるとみるべきである。そしてそれは、まさに日本人の本質を言い当てている。これを外国人、とくに個人プレーの国アメリカの映画業界人が見たら相当な衝撃を受けるだろう。
この映画のゴジラは放射能をまき散らしながら破壊を続ける、まるで天災のようだが、それが何を表しているのかは観客にゆだねられる。
だがそれに対処する人々の動きを描いたこの映画のテーマは「有事における安全保障、危機管理」であり、これはとてもタイムリーだ。
国会前のデモや対馬で怪しい動きをするどこかの国など、いまどきの映画らしい小ネタもギャグ的にはさみながら、ここで描かれる日本の問題点、そして強みは大きな問題提起となるだろう。
とくに画期的なのは、この映画が強く意識したであろう安保法制問題の、意図的かどうかはともかく化けの皮をはいでしまっていることである。
具体的に言うと、日本単独で対処できない問題を同盟国や多国籍軍との連携でカバーするという集団的自衛権の欺瞞と恐ろしさを、端的に表現している。他国に頼ることでどれほどの国益を失うかを、きっちりと描いている。だから日本は日本人で守らなければならない。日本人だけで守れなくなった時の絶望感を、これほど正確に描いた映画はあまりない。この点は高く評価すべきである。
さらにこの映画に出てくる日本政府は、憲法9条の有無などお構いなしに(議論にすら出てこない)平気で自衛隊を防衛出動させている。その名目は有害鳥獣駆除ということになっているが、これはきわめてリアルである。
日本人という民族は、いざとなれば9条があろうがなかろうが、必要なことを必要な時にやれると、この映画は言っている。そしてそれは事実であろう。
いやあ、気持ち悪いですね。
日本人らしい組織を描いたとか、安保法制問題の化けの皮をはいでしまっているとか、金を払って見せる作品の評価指標にしていいわけがありません。
はてなブログでも同じような感想がありまして。
特に感心したのは、政府の災害対応の手続きが正確に描かれていることです。防衛省(自衛隊)、警察庁、消防庁等による災害対策本部の立ち上げや、大臣へのレク、関係閣僚会議、官邸に集う各省庁のリエゾン(緊急招集要員)まで、細かく描かれています。閣議決定前に必要な閣議請議までしっかりと描かれていましたし笑。以前私自身も国で災害対応の仕事をしていたこともあり、設定の細かさに大いなるリアリティを感じました。
「シンゴジラ最高に面白い」というタイトルで、特に良かったのが「政府の災害対応の手続きが正確に描かれていること」とか失笑ものだと思います。
またこういう感想もありました。
巷で話題のシンゴジラを見た。打ちのめされた。すごいものを見た。
ひと言で言えば
圧倒的な情報の濁流。
一度では飲み込めない程。
家族愛や男女愛を排除し、ゴジラ対策を徹底的に2時間描き続けているため、上映中に中だるみすること無く、観客はのめり込み続ける。というよりも、
観客に息をつく(考える)暇を与えない。
CGの甘さはあるが、それよりも続きが気になってそれどころではない。
映画は物語でありフィクションなのですから、情報の多さとか何の価値もありません。
関係があるのは物語で提示された伏線を綺麗に回収したかどうかだけです。
最後にこういう感想も紹介します。
無表情にズンズン歩くゴジラ(後に野村萬斎だと知ってなるほどと思った)。
なんだかんだ、攻撃されてもビクともしないし、反撃もしない。
「あれ?このゴジラ咆哮しないの?」「ブレスは?放射能吐かないの?優しいゴジラ?」と不安になる中盤。
満を持しての、咆哮&ブレス。
最初炎が出て、威力が強まると放射能に変わり、東京を一瞬で壊滅させるだけの威力を魅せつけた後に、再び炎に変わり止まる。という一連の動作がカッコよくて死ぬ。
やっぱ、B-2最強だな。ホルホル。としていた自分をあっという間に絶望の淵に叩き落とす破壊力。
まさに神。
最高だった。また見たい。
レビューとしては満点です。
映画を見ない自分を、見てみたいという気にさせてくれました。
でもゴジラのブレスを見るために2時間と2000円を費やすのはリスキーだと思います。
見てもない奴が何文句垂れてるんだ
というクレームは当然来るかと思います。
うっせーバーカ(・∀・)
と言い返すほどの臨戦態勢は整っていません。
暇があれば映画を見に行く機会を作ってみようと思います。