翻訳機能が発達しない原因
先日こういう記事を見ました。
記事ざっくりまとめると、
翻訳の性能を向上させるには
1,画像と説明文のセットを学習させる。
2,翻訳したい文章を入力すると画像が出て来る
3,その画像と一致する説明文をアウトプットする
といった感じです。
(画像は上記紹介先より転載)
なかなか面白いアイディアだと思います。
翻訳が発展しない理由
僕自身は学生時代から「翻訳が飛躍的に発達しているので英語を勉強する必要がない」と思っていました。
しかし、10年経っても20年経っても、翻訳の精度が一向に上がりません。
このIT化社会の中、ここまで成長しないのが逆に驚きです。
精度が上がらないのは状況や場面を特定出来てないからだと思っています。
例えば「short」という単語を日本語に直すと「短い」です。
しかし、野球では短いとは訳さず概ね「short stop(守備位置)」を意味します。
相場では「short selling(空売り)」を意味します。
つまり場面を特定する事により、正しい訳に近づける事が可能です。
例えばMLBのサイトから切り取ったこの英語
日本語に訳すと
「ペダーソンのダイビング捕球のお陰で、ナショナルリーグのディビジョンシリーズの4試合目はドジャースがナショナルズに勝ちました。」
といった感じです。
ところが、クロームの翻訳機能を使うとこうなります。
昔から全く進化していません。
翻訳する前に単語を分析した場合
「joc perderson」
「NLDS」
「Dodgers」
というのは野球に関連する固有名詞であり、野球の場面と認識可能です。
そうすれば
Nationalsを「国民」と訳したり
makes a diving grabを「グラブを作る」
と訳す事はないはず。
そうやって「翻訳は発展するのだろうなあ」と思っていたのですが、全く進んでいないのが現状です。
発展しないのは翻訳利権サイドからの圧力なのかもしれませんが、英語を使える優秀な人たちが「翻訳機能なんて要らない」生活を送っている事に原因があると推測しています。
英語を学ぶ必要性
絵を介する事により、直接的な訳文だけではなく場面特定にも大きく寄与出来ると思います。
英語圏内の人が翻訳にやる気を出さないなら日本人が頑張るしかないので応援したいところです。
それで記事にもあるように「翻訳が発展すれば英語を学ぶ必要性は無いのではないか?」という話ですが、これは結構難しい問題だと思います。
僕自身「英語を学ぶ必要性が無い」と思ったのは
学生時代は競馬ばかり研究していたからです。
競馬の99%は国内で完結します。
海外旅行なども全く興味が無く、英語を使う必要性がありません。
海外からの旅行客への対応は翻訳ソフトに任せればいいですから、日本国民の90%以上が英語を学ぶ必要は無くなると思います。
ところが、専門分野だと話は別です。
今月から海外競馬の馬券の販売が始まりました。
その最初となった凱旋門賞を予想するのに色々サイトを探したのですが、ヨーロッパでは競馬自体がマイナーで、情報量が少なくて困ります。
有益な情報は結局手に入りません。
機械学習だと専門分野になればなるほど学習出来る量(情報量)が減るので精度が下がると考えられます。
常に新しい概念が出てくる学術論文を機械が訳すのは100年先も無理かもしれません。
ゆえに『ちゃんとした大学』はおそらく入試で英語を課すのをヤメないと思います。
義務教育で英語を教えるのはヤメてもいいと思いますが、大学入試を見据えて塾で勉強させられる子どもは無くならないでしょう。
僕も学校で英語を教えるのは否定派ですが、その道程は遠いはずです。