侍ジャパンのアメリカ戦敗因は采配とキャッチャーの差
侍ジャパンの選手の皆さんお疲れ様でした。
スコア的には2-1で、2失点もエラー絡みです。
惜しかったと思います。
エラーも慣れない球場で雨絡みですから仕方ありません。
これまでの東京ラウンドが慣れた球場・日程優遇・予告先発アリなど日本にとって有利な状況でした。
日本は飛車角落ちのメンバーですが、同じグループのキューバは飛車角金銀落ちです。
キューバが弱くなったとか言っている人も居ましたが、ガチ編成来たら日本は勝てないでしょう。
つまり、日本は要介護認定で勝ち上がって来たわけです。
もちろんそういうハンデを貰いながらも全勝というのは日本の野球のレベルの高さを裏付けたわけですが、本番のアメリカラウンドで実力拮抗の相手だと勝率は5割を切ります。
敗戦は仕方ありません。
差があったと言うなら作戦面でしょうか。
まずアメリカのピッチャーはクセ球やクセのあるフォームのピッチャーが多かったと思います。
初見だとメジャーのトップクラスのバッターでも打てないでしょう。
そうなるとストレートを待つしか無いのですが、アメリカのキャッチャーは殆ど投げさせませんでした。
そこが勝敗を分けた部分だと思います。
日本の得点は数少ないストレートを狙い打った菊池のホームラン一本だけです。
打てないなら青木の最後の打席みたいに前に乗り出して、ファーボールだろうがデッドボールだろうが出塁するための工夫が必要となります。
侍ジャパンのメンバーは普段日本の試合でそういう事をしてないです。
1点しか取れなかったのは残当だと言えます。
何回試合をやり直しても3点以上取るのは難しかったはずです。
とは言え、初見で打てないのはアメリカ側も同じ。
侍ジャパンのメンバー同様に泥臭い事もしませんでしたので、3点以内の勝負でした。
キャッチャーが穴
僕は東京ラウンドで一貫してキャッチャー小林起用を否定しています。
オーストラリア戦
侍ジャパン2連勝。ただ、7回・9回小林に代打を出さなかったのが問題。千賀や菅野がフォーク系を投げないのはWBC球の問題もあるかもしれないけど小林のキャッチングの問題もあるわけで、あの配球だと決勝ラウンドは通用しない。G球団と違って代打が豊富に居るのだから大野や炭谷も使わないと。
— メタボ教授 (@metabopro) 2017年3月8日
オランダ戦
あとは小林だけ。古田も言っていたけど国際大会は初見の相手なんだから変化球を狙うことが難しいので、ストレート待ちになりやすい。最初にフォーク系の決め球を見せておくとストレートのタイミングが取りにくくなるのだが小林は数える程しかそれをやってない。打つから外せないのだろうけどなあ。
— メタボ教授 (@metabopro) 2017年3月12日
キューバ戦
侍ジャパン勝利。菅野はオーストラリア戦同様に落ちる球を殆ど投げなかったので打たれて当然。小林のサインには首を振っているのだけど、小林相変わらず落ちる球を要求しないのか菅野が投げられないのか。8回のあの場面で当たっている小林から内川の代打はマズいだろと思ったけど流石内川お見事でした
— メタボ教授 (@metabopro) 2017年3月14日
最後の炭谷のリードを見ると僕が一貫して「小林を外せ」と言っているのが分かると思うが、小林が打ちまくっているのも事実。イスラエル戦は千賀が先発らしいので、炭谷スタメンで千賀が降りたら炭谷に代打を出してその後は小林にまかせるのを試して欲しいけど、無理だろうな。
— メタボ教授 (@metabopro) 2017年3月14日
今回の試合ではフォーク系を解禁して来ました。
あえてフォーク系を隠していたのか、それとも前回までの反省を踏まえて改善したのかは解りませんが、東京ラウンドと同じなら7-1くらいで負けていたはずです。
配球も外一辺倒だったのが改善されていて、良かったと思います。
ただ、「落ちる球をウイニングショットに取っておく」
という、ありがちな配球は最後まで治りませんでした。
カウントを取りに行ったストレートをどんどん打ち返された結果、失点につながります。
継投
ワールドベースボールクラシックが始まる前にこういう記事を書きました。
結局また小久保監督は「菅野投手から千賀投手」と喋っちゃいました。
これが2失点につながった原因でもあります。
石川投手を使う可能性もあったわけですから、黙っていればアメリカは石川選手も研究する必要があったわけです。
ツイッターで語った通り、
野球は連戦中の接戦を確実に取るという意味でクローザーの役割が重要なだけで、1戦だけなら今日のイスラエルみたいにいいピッチャーからどんどん出していくのが定石(6回で弾切れしたけど)。いいピッチャーを後ろに持っていくのはオカルト。今日は牧田を後ろで使わず酷使に備えて休ませるべきだった
— メタボ教授 (@metabopro) 2017年3月15日
1戦限りの試合なら、いいピッチャーから使っていくのが定石です。
実際高校野球にクローザーなんて居ませんよね。
「菅野の後に牧田」や「牧田先発で2イニングの後に菅野」でも良かったと思います。
結局最後はマシンガン継投となりました。
それをやるならイスラエル戦で大量リードした時点で
「左の岡田が使えるか?」とか「武田を後ろに持ってこれるか?」など試しておくべきです。
あの試合で最後牧田を1イニング投げさせる必要が全くありませんでした。
全員で一人一殺モードを練習しておけば、千賀や菅野がランナーを抱えた時でも投入出来ます。
一方アメリカの最大の勝因は8回に投入したメランソンを引っ込めた事です。
10球程度しか投げませんでしたが、日本にとってボーナスステージのように見えました。
メランソンが降板して筒香選手が交代投手のデータをベンチに確認しに行った時点で勝負ありです。
数字のデータを見ただけで打てるような相手ではありません。
準備不足です。
逆に日本がアメリカの選手にそうさせないといけません。
ボーナスステージのメランソン登場中、山田にバントをさせたのも敗因の1つでしょう。
他国の代表はバンド処理が下手なので、バントしたくなる気持ちも解りますが、裏目に出ました。
今大会もスモールベースボールではなく大雑把な野球をしてしまったと思います。
バントをするのがスモールベースボールだと言うなら、それは時代遅れの考え方です。
そもそも
前回の記事に書いた通り、大谷の仮病が敗因だとも言えます。
ただ、他国もベスト・オブ・ベストのメンバーではありません。
今日出た日本の選手はメジャーでも全然通用するはずですし、WBC優勝を狙えるメンバーです。
日本人選手のポテンシャルの高さを確認した大会でありますが、その一方で戦術面の稚拙さが目立ちました。
アメリカの方が1枚も2枚も上です。
そこが残念に思います。