サッカーのゴールキーパーに求められる身長体格とは
サッカー日本代表のハリルホジッチ監督がゴールキーパーは身長190CM以上無いと不合格みたいな話をしています。
YAHOOニュース様より引用
ハリルホジッチ監督は1-1で引き分けたW杯アジア最終予選オーストラリア戦(11日、アウェー)を例に挙げて「みなさんもオーストラリア戦を見たと思いますが、CKの時に190センチの選手が6人近くも飛び込んでくる。(GKは)それをブロックしないといけないことを、知っておかないといけない。
2回のCKで1点を取るのがオーストラリア。我々は20~30回CKを蹴っても、得点が取れない」などと、視察に訪れたJリーグ下部組織の育成コーチらに持論を展開した。
代表のGKは身長190センチ以上が基準になると明かした上で、報道陣には「育成で(GKを)チョイスする時、身長の大きくなりそうな選手を選ぶことが大事」と力説した。
これって、どう考えてもおかしいです。
セットプレーに求められる資質
当たり前の話ですけどゴールキーパーは手が使えます。
セットプレーで高さは重要だと思いがちですが、サッカーボールの直径である22CH以上の高低差が生じない限り、重要なのはポジショニングです。
身長が10CH低かろうが、相手FWの前に入ってしまえば問題ありません。
FWと競り合って吹っ飛ばされないだけの体重があればOKとなります。
ジャンプした時に最大到達点で居られるのはほんの一瞬ですから、タイミングよくジャンプ出来る判断力の方が重要です。
GKに求められる体格
サッカーのゴールの高さは2M44CMと大人が手を伸ばせばギリギリ届くような高さです。
一方でゴールの幅は7M32CMもあるわけですから、横方向の守備範囲が重要となります。
GKに求められる体格となると手の長さは重要です。
長ければ長いほどいいと言われています。
何故なら手は瞬時に動かせられるから。
例えば野球でバッターが打った球がピッチャーに強襲するケースを見てみましょう。
メジャーリーグでは打球のスピードを計測していて、ライナーだと時速180KM前後出ています。
大谷翔平やチャップマンのストレートよりも全然速いです。
それをピッチャーは避けなければいけません。
体に当たる事もありますが、基本的には下半身に当たります。
顔に当たることはほぼありません。
これは体の上と下とでは脳からの反応が伝わる時間に差があるのと、足は体重がかかっているので瞬時に動かせないからです。
サッカーのGKにも同じことが言えます。
手が届く範囲は瞬時に反応出来るので、手が長ければ長いほど守備範囲が広くて有利です。
一方、足を動かすケースについて見てみましょう。
陸上競技や競馬に詳しい人は知っていると思いますが、足は短ければ短いほど瞬時に動けます。
サッカーだとGKではありませんが、マラドーナが短足なのは有名ですよね。
足が短いからこそ、俊敏な動きが出来たわけです。
あと細ければ細いほど俊敏性は高まります。
現役選手だとドルトムントのオーパメヤンは体がスリムですし、足もビックリするくらい細いです(写真一番左)。
この細さから来る俊敏性により、30M走ならウサインボルトよりも速い記録が残っています。
ボルトは足が長すぎて、30Mまでなら並の陸上選手です。
このように下半身の俊敏性は足の短さと体重バランスが重要となります。
足が短ければ短いほど身長が低くなるわけですから、ゴールキーパーに身長を求めるのはおかしな話です。
サッカーでいいGKを育てるなら手が長くて足が短い子どもを見つけてくるべきだと思います。
それこそJリーグ初期の名キーパーであるシジマールの体格が理想です。
彼の身長は183CMとハリルの基準には達しないものの、
両手を広げた幅が193CMもありました。
そういう化物が日本に居るかどうかは解りませんが、「身長190CHがGKの最低ライン」というハリルの考え方は愚の骨頂です。
将来の育成に係わる重要な部分ですから、日本サッカー協会が聞く耳を持たない事を強く願います。